News for the People in Japan
憲法審議ってば、今どうなってるの?
国会速報 No.20

2007.4.5
〜弁護士猿田佐世

★★★★★★
●緊急アンケート「どのくらい知っていますか“国民投票法(案)”」が
全国21箇所(総回答者1247名)で実施(皆様! ありがとうございます)
●審議が尽くされていないとする人が、尽くされたとする人の約15倍。
「審議が尽くされていない」「分からない」が合わせて、約92%
●周知期間一つとっても、法案の内容を理解しているのは、わずか11%。
大多数の国民が、法案を知らない
●最低投票率の導入が強く求められた

★★★★★★

●ここ4日間くらいで、全国の皆様がご協力くださいました。本当に本当にありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。詳細は下記↓

今、4月5日の東京公聴会の真っ只中で、このアンケートを使うべく努力中です。

午前中の公聴会では、民主党議員からも公聴会を47都道府県でやりなさい! という声がでていました。 唯一ともいえる与党案賛成者の百地公述人からも、この法案について説明責任が果たされていない、との発言もありました。詳細はまた。

●緊急アンケート実施
3月28日、大阪と新潟で行われた憲法改正手続法案についての公聴会に平行して、同日、大阪 (難波・京橋・梅田) と新潟 (新潟駅前) で街頭調査が実施された。 その後、4月4日までの約1週間、全国21箇所 (新潟と大阪含む。*実施した場所は末尾に掲載。) で共通の設問による街頭調査が行われた。

主催は、弁護士や学生他からなる「国民のための国民投票法を考える会」。
なお、このアンケートは引き続き、全国各地で行われる予定である。
質問事項と集計結果については別紙の通り (総回答者1247名)。

集計結果 → http://www.news-pj.net/kenpoushingi/20070404-kekka.pdf
アンケート内容 → http://www.news-pj.net/kenpoushingi/20070404-ank.pdf

■街頭調査では、同法案についての審議が尽くされていないとする人 (回答中65%・806人)が、審議が尽くされたとする人 (回答中4%・54人) を大幅に上回った。
アンケートを採る際、改憲すべきなので国民投票法は必要との意見を述べた人からも 「法案について国民に知らせて国民の間で議論すべき」 という意見が目立った。 また、そもそも法案について知らない人が多いことからも、「分からない」との回答数も多 く(回答中27%、337人)、 「審議が尽くされていない」 「分からない」 が合わせて約92%という極めて高い数字が出た。

4月半ばにも衆議院で採決と報道される同法案であるが、十分な審議が強く望まれている。

■周知期間一つとっても、法案の内容を理解しているのは、わずか11%にすぎない。ほとんどの国民が、法案の内容を知らない。

■「総有権者の過半数」 で憲法改正と、考えている人が多いことも分かった。
どのくらいの賛成があれば憲法を改正できるとするのがいいか、という問いには、多くが有権者の過半数と回答した。
憲法改正が認められる場合を「総有権者の過半数」とするか(最低得票率)、せめて、総有権者の3分の2以上等の最低投票率の定めを設ける必要がある。

■憲法という国で一番重要な規範を改正するための手続法について、大多数の人が法案の中身を知らず、審議が尽くされていないと考えていることが分かった。
調査を担当した赤木俊之弁護士 (和歌山) は、「法案の中身について、全く知らない人がほとんどであった。 また、国民投票法案といっても、憲法を改正するための国民投票についてのものであることを認識している人も多いとはいえず、アンケートを採る際、 憲法を改正するための法案であることを説明すると、びっくりしていた人も少なからずいた。 国会で 「国民投票法案」 という名の法案が審議されているということは知っていても、その中身が分からず、また、その意味も分からないという国民不在の状態で、 国民投票法案を成立させることには大きな疑問が残る」と述べた。

「国民のための国民投票法を考える会」
代表世話人  弁護士 猿田 佐世
   同      弁護士 田場 暁生

*アンケートを実施した場所(2007年4月4日現在)
・高崎、水戸、東京(池袋、銀座、本郷、練馬、蒲田)、新潟、岐阜、静岡、京都、大阪(京橋、難波、梅田)、大津、和歌山、山口(萩・美祢)、福岡
(12:27)

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